平安朝文人論
宋晗
古代日本が律令制を導入・運営するにあたって、大陸伝来の漢文は不可欠の書記言語であった。本書は漢文の運用が成熟を見る平安朝において、国政運営に必須の公文書を作成するテクノクラートたる文人が、漢文を駆使した自己表現に漸次目覚めてゆく過程を、文章経国思想が昂揚した嵯峨朝から院政期に至るまで、精神史という地平から通時的構造的に考察したものである。
全350頁
東京大学出版会