「梅花歌序」表現論
「令和」の典拠となった「梅花歌序」を、元号という文化の一コマとして扱うのではなく、その表現が持つ多層性と同時代性を論じた。まず「仲春令月 時和気清」は張衡「帰田賦」のみならず、張衡以降の上巳賦群の脈絡の上に成り立った一文であることを指摘した。次いでこの歌序全体のスタイルが同時代(奈良朝)の詩壇の好尚を背負っていたことを明らかにした。
臨川書店
第88巻
第9号