吟詠される詩序:その表現と効果
詩序は、上代から近世にかけて貴族社会で盛行した漢文のジャンルの一つである。天皇や摂関家をはじめとする貴顕が参集する折節の宴において、必ずと言って良いほどに詩序が儒者によって献じられ、その場で吟詠された。本来は外国の文章であったはずの詩序が、なぜかくも日本の貴族の人口に膾炙したのか。この問題を美としての訓読・吟詠の観点から検討した。
新たなる平安文学研究
青簡舎