『源氏物語』における浮舟の罪について
井内健太
『源氏物語』中で繰り返される浮舟の「罪」について、その内実を考察した。浮舟の「罪」とみなされるものの多くは、その思想的・宗教的背景に鑑みると、必ずしも実態を伴っておらず、作中の登場人物らによってことさらに強調されるものであることを明らかにし、虚構的に浮舟の「罪」を創出する物語の方法について論じた。
『国語と国文学』
筑摩書房
第101巻
第7号