法律家は、悪しきキリスト者
本稿では、ヨーロッパに膾炙した格言「法律家は、悪しきキリスト者(Juristen, böse Christen)」の由来とそれが生まれた原因を探求したものである。当該格言は14世紀頃から登場し、とりわけルターが多用したことで有名となった。当時、大学でローマ法・教会法を学んだ「学識法律家」が生半可な法律知識を振りかざして、地域の特性や民衆の法倫理に反する活動を行ったことが、当該格言が生まれた原因であると推察される。
『フェリス女学院大学キリスト教研究所紀要』
フェリス女学院大学
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