「ドイツの弁護士定員制をめぐる議論――帝政ドイツ期およびワイマール期を中心として――」
本稿では、19、20世紀におけるドイツ弁護士定員制について論じた。第1章では、弁護士の自由化から弁護士定員制復活までの動きを示し、第2章では、定員制に対する賛成・反対の両意見を具体的に記した。賛成論者は、グナイストを中心とする裕福で自由主義を信奉する弁護士指導者層であり、反対論者は、貧困に悩む一般の弁護士層であった。この対立のため、ドイツ弁護士層は一枚岩となってナチスに抵抗することができなかった。
『国際交流研究』(フェリス女学院大学国際交流学部紀要)
フェリス女学院大学国際交流学部
21号