「見捨てられていること」の消息
アーレントにおける「見捨てられていること」の経験をいくつかのコンテクストから辿り、その議論がもつ射程について考察した。初期の著作であるリルケ論や「全体主義の起源」におけるルター論を読解した。「人が一人でいるのはよくない」という言葉と推論(ロジックへの追随)との関係性などは、全体主義の経験みならず今日の消費主義社会における人間社会の側面を照ら出している。
実存思想論集
理想社
XXXⅡ
第2期第24号