『専門性の政治学 ― デモクラシーの相克と和解』
内山融・岡山裕・伊藤武(編著)
第8章「専門家の国際ネットワークと金融交渉」:1980年代から90年代の日米金融交渉を題材に、金融規制をめぐる国際交渉において専門家が果たした役割を分析する。金融に関する国際交渉は貿易一般に関する交渉に比べ、官僚に委ねられる傾向が強かった。その理由として高度な専門知識の必要性がしばしば指摘される。しかし本章では、それ以上にそれぞれの国での行政機関の制度配置が、行政への権限移譲につながったと論じる。
pp.247-274
ミネルヴァ書房