アメリカの財政政策と政党政治 : 「債務国家」化は何をもたらしたか
杉之原 真子
本論文では、2000年以降の米国の財政政策の展開を政党政治の視点から検証した。この時期の 米国では財政赤字が拡大する一方で、財政規律圧力は欧州各国に比べると弱いため、既存政党を乗っ取るかたちで非主流派の候補者がリーダーとなり、社会的コストを伴う財政規律を放棄した。二極化の進展は政策課題についての協調を困難にし、両政党が重視する政策を実現する取引を行った結果、財政赤字はさらに増大した。
国際交流研究 : 国際交流学部紀要
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