対米直接投資規制の決定過程からみるエコノミック・ステイトクラフト
杉之原 真子
エコノミック・ステイトクラフトの遂行には、国家が一元的なアクターとして明確な目標を設定する必要がある。相反する利害が衝突する経済政策で、この仮定は成り立つだろうか。米国の2018年外国投資リスク審査近代化法(FIRRMA)は、議会での超党派の支持を得て成立したように見えるが、各主体の選好を詳しく検討すると支持の動機は多様であり、エコノミック・ステイトクラフトの基盤が脆弱であることが示唆される。
国際政治
日本国際政治学会
205号