対内直接投資の政治学─日米の事例から
杉之原 真子
外資の誘致と安全保障に配慮した規制のバランスをとることは重要な課題である。本論文では、2000年代半ば以降多くの先進国で新たな対内投資規制が導入されたことに着目し、米国と日本の事例を比較して、議会主導の米国と、官僚指導の漸進的な規制強化が行われた日本で、政策決定システムの違いが政策に影響を与えたと論じる。一方、両国で、規制強化に経済的利益を有する主体が安全保障上の懸念を利用した面も観察された。
年報政治学 2017-Ⅰ 世界経済の変動と政治秩序
木鐸社
2017-Ⅰ