対米投資規制の強化の政治過程――2018年外国投資リスク審査現代化法をめぐって
杉之原 真子
本論文は、米国において対内直接投資の審査を強化した外国投資リスク審査近代化法(FIRRMA、2018年8月成立)の背景および成立過程を検討する。この法案は、中国からの対米投資の増加および中国に対する脅威認識の高まりを受けて成立したが、議会および立法府の広範な協調のもと、他の提案と比較して相対的に穏当な内容となり、審査の基準は安全保障へのかかわりに限定された。
国際交流研究
第21号