戦争と故郷(ホーム)ートニ・モリスンの『ホーム』とW.D.エアハートの戦争詩
本稿は、トニ・モリスンの『ホーム』における「再記憶」(リメモリー)の語りと、W.D. エアハートのベトナム戦争詩における「語り」が生み出す効果に着目し、元来ポスト植民地主義理論の視座の下で論じられてきた「故郷の喪失」が、戦禍の衝撃においては境界を超えた普遍的視野の下で考察することが可能であることを、PTSDの回復過程と「家/故郷」(ホーム)の回復との関わりの中で論証したものである。
『英米文学研究』
日本女子大学
第51号