トニ・モリスンの『ホーム』における魔術的リアリズム的側面と亡霊ー「世界文学システム」の中で
本稿では、トニ・モリスンのHome(2012)における魔術的リアリズムの側面、中でも特に、「亡霊」に焦点を当て、その時間的、場所的な概念とともに、世界文学としての魔術的リアリズムにおける亡霊が果たす役割と効果について考察している。モリスンが追究してきた「ホーム」と「境界」の概念の関わりの中で、これらの亡霊がいかに「境界」を超え得るかについて明らかにしたものである。
『黒人研究』
黒人研究学会
第91号