トニ・モリスンのGod Help the Child再読ー「驚くべき」身体と歴史の修復
本稿は、トニ・モリスンのGod Help the Child(2015)において、これまで「驚くべき」出来事として捉えられてきた主人公の身体の変化について、肌の色に起因する児童虐待に晒されるアフリカ系アメリカ人の子どもたちの現実に照らし、魔術的リアリズムの手法と、ホーテンス・スピラーズの論文“Mama’s Baby, Papa’s Maybe”を援用しながらその意義を検証したものである。
フェリス女学院大学文学部紀要
第58号